下海印寺遺跡:長岡京期、小型土器や土馬を出土 /京都

8月29日17時0分配信 毎日新聞

 府埋蔵文化財調査研究センターは27日、長岡京市下海印寺(しもかいいんじ)西条の下海印寺遺跡の発掘調査で、長岡京期(784~794年)の小型土器や土馬(どば)を出土したと発表した。
 調査は第二外環状道路工事に先立ち、今年4月から小泉川沿いの約2100平方メートルで行われている。発掘された東西方向の幅約1・6メートル、長さ約20メートル、深さ約1メートルの溝などから、約20個のなべ(直径6センチ)やかまどをかたどった小型の土器、土馬(長さ10センチ)も見つかった。
 土馬の足や頭部は人為的に折られた跡があり、同センターはこれらのミニチュア土器は疫病などから人々を守るための祭事に使われたみている。小泉川を挟んだ対岸の西山田遺跡でも、同様の小型土器が多く出土しており、都の南西隅に当たる2遺跡付近で、祭事が行われていたとみられる。
 遺跡からは、ほかに古墳時代初頭(3世紀前半ごろ)の竪穴住居跡や土器、中近世の溝なども見つかった。現地説明会は29日午前10時。問い合わせは、同センター現地事務所(090・1969・6799)。【広瀬登】

飲酒運転後、連絡取れず 容疑の女逮捕

8月26日17時0分配信 紀伊民報

 田辺署は25日、田辺市秋津川、無職丸山安代容疑者(53)を道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕した。飲酒運転をしていたのは16日未明だが、行方が分からなくなっていた。
 田辺署によると、丸山容疑者は16日午前2時45分ごろ、田辺市上秋津の県道田辺龍神線で、酒を飲んだ状態で軽乗用車を運転した疑い。走行中、道路左側にある民家の石垣に衝突したという。
 目撃者の110番通報で駆け付けた署員が名前や住所などを確認し、調べたところ、飲酒運転が分かった。丸山容疑者は事故の後、100メートルほど歩いた際に側溝に転落して足に軽傷を負っていたため、救急車で市内の病院に運ばれた。その後、連絡が取れなくなっていたため、署は逮捕状を取って捜査していた。
 丸山容疑者は「警察に行きたくなかった」などと話しているという。
 田辺署は、酒を飲んだ場所や25日までの足取りを調べている。

ゲリラ豪雨「いきなり激流」那覇のガーブ川

8月20日0時58分配信 読売新聞

 いきなり腰の高さに達した激流が5人を襲った――。那覇市中心部のガーブ川で19日、作業員5人が地下水路へと流された事故。吸水性のないアスファルトに降り注いだ「ゲリラ豪雨」は、コンクリートで覆われた水路に集中的に流れ込んだ。専門家は「都市部では、どこででも起こりうる災害」と警告する。

 ◆救助の大城さん、途中で胴長靴脱ぐ◆

 「一気に持って行かれた」。地下水路の中を流され、無事救助された大城哲志さん(36)は事故当時をこう振り返った。

 地下水路は約1キロあり、大城さんは出口まで約200メートルの浅瀬に立っているところを救助された。大城さんは、流される途中で胴長靴を脱いだという。胴長靴を着けたままでは中に水が入って動きが取りにくくなる。流された全員が胴長靴を着けていた。

 水路の強度調査を発注した地元の再開発組合の関係者によると、5人はこの日、地下水路の入り口付近に土のうを積んで流れを止め、地下水路の底を削り、中の鉄筋の本数や状態を調べていた。

 ガーブ川は海の干満の影響を受けやすいため、調査は水深が最も低くなる大潮の干潮時に合わせて日程が組まれた。通常ガーブ川の水深は60センチほどだが、この日の事故直前は水深30センチまで下がっていた。

 ところが、上流から押し寄せた濁流で、水かさは一気に腰の高さの約1メートルぐらいまで上がった。那覇署によると、1人は工事用の機材を上げ下げするロープにつかまり、もう1人はその作業員にしがみついていたが、やがて流れにのまれたという。

 「こんな街中を鉄砲水が襲うなんて」。行方不明になった中村正吉さん(42)の父正光さん(68)は同日夕、約40キロ離れた沖縄県恩納村から現場に駆けつけ、言葉を詰まらせた。

 ◆過去にも事故、作業前に注意◆

 現場では過去にも小学生が流される事故が起きている。行方不明4人のうち3人が勤める丸高建設工業の幹部は作業開始前、作業員にこのことを話し、「危険な場所なので気をつけてくれ」と声をかけたという。

 那覇市下水道課によると、ガーブ川は米国統治下の1963年、市が大雨対策として整備した。長さは久茂地川に合流するまでの約4キロで川幅は5~6メートル。多くの観光客が訪れる「国際通り」の下も流れている。

 市消防本部によると、ガーブ川は市内の道路や歩道の側溝に流れ込む雨水が集まる構造になっている。すべてコンクリートで雨を吸収する土手はない。湾曲が少なく川幅も狭いため短時間の豪雨でも急流が発生しやすいという。

 防災システム研究所(東京)の山村武彦所長は、ゲリラ豪雨が増加傾向にある気象状況を指摘したうえで、「コンクリート舗装された都市部では雨水がしみ込まずに河川に集まり、20~30分で水位が一気に上がる。危険を伴う工事現場では見張りを立て、迅速に避難できるようにする必要がある」と指摘している。

ポスコ年産40万トンのCGL工場、メキシコに完成

8月9日16時32分配信 聯合ニュース

【メキシコ・アルタミラ8日聯合ニュース】ポスコが自動車産業の中心地、北中米地域に生産から販売まで一括供給体制を構築した。
 ポスコはメキシコタマウリパス州のアルタミラ近くで6日、鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長ら同社関係者とカルデロン大統領をはじめとする主要関係者300人余りが出席するなか、自動車用高級素材の溶融亜鉛めっき鋼板ライン(CGL)工場の完工式を行った。ポスコが海外に自動車鋼板工場を完成したのは今回が初めて。
 この工場は年産40万トン規模で、亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板などを生産する。圧延、めっき、溶融亜鉛設備などが連結された370メートルに達する生産ラインが、3交代で24時間稼動する。1日に生産するコイルだけでも、長さ5000ミリメートルのものを基準に500個に達するほか、生産鉄鋼の厚さを0.4~2.0ミリメートルまでさまざまに調整できる最新設備を整える。

 ポスコはこの工場の完成で、米州地域の足場を確保した。メキシコではすでに2つのサービスセンターを運営しているほか、今回完工した工場のそばに物流基地も完成させている。今後、さらに米国東南部にサービスセンターを新設し、米州地域供給シスムを完成させる計画だ。欧州を念頭に置き進めているインドのCGL工場も含めると、グローバル鉄鋼会社としての地位を固めたことになる。
 鄭会長は「メキシコ工場完工は、北米市場への第一歩。北米市場を狙った大変重要な橋頭堡だ」と強調した。現代・起亜自動車をはじめメジャー自動車メーカーはアラバマ州やジョージア州など米東南部に工場を移転しており、メキシコにもフォルクスワーゲン、クライスラー、ゼネラル・モーターズ(GM)などが位置するだけでなく、1000社余りの部品メーカーが密集している。こうしたなか、メキシコCGL工場は、戦略的要地として遜色ないと期待がかかる。鄭会長は、米国を含む北米、中南米は今後、大変重要な市場として成長すると予測しているとし「2010~2012年に800万トンの自動車用鋼板を開発・供給することで、名実ともに技術でリードするグローバル鉄鋼会社として踏み出したい」と抱負を示した。
 メキシコ側からも、全面的な支援を受けている。工場建設では、設備と建設機資材に特別関税の免除を受けたほか、国外輸出用輸入素材に対しても特別関税の例外が認められた。州政府も投資インセンティブに対する3年間の猶予、登録税50%減免などの恵沢を提供した。カルデロン大統領は、完工式で「着工当時、つらく厳しい政治・経済的状況でもメキシコと自動車産業を信じ、投資したポスコに感謝する」と、謝意を示した。
japanese@yna.co.kr

伊豆市議会:「地元要望ない」 補正案を否決 /静岡

8月8日11時0分配信 毎日新聞

 国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を原資にした伊豆市の一般会計補正予算案が7日、臨時市議会で否決された。スポーツ合宿を誘致し経済効果をもたらそうとするための経費をはじめ約6億円を計上したが、「地元要望が反映されていない」などの反対意見が相次ぎ、9対10の微差で否決された。
 予算額6億2042万円のうち国費は5億2166万円。天城ドーム人工芝張り替え▽他のスポーツ施設改修▽スポーツ合宿誘致プロジェクト事業費の他、プレミアム観光商品券発行補助などを計上していた。本会議では、杉山誠氏(公明)が「交付金を活用しないとできない事業が多く、将来を見据えて編成された内容」と賛成。西島信也氏(無所属)は「側溝補修や歩道整備など地区要望が一つもない」と反対した。
 本会議後、菊地豊市長は取材に「観光立市の伊豆市の近い将来に投資する予算を組んだつもりだ。(組み替えて)月内に再提案したい」と語った。【安味伸一】

支局長からの手紙:400年の歴史 /島根

8月3日16時0分配信 毎日新聞

 「金属製の格子ぶたで隠れていますが、大手前通りには、松江城の石垣と同じ石材で造られた側溝があります。松江開府から400年。当時の姿のまま残っているなんて、すごいでしょう。でも、道路が拡幅されれば溝は暗きょと化し、見ることができなくなる」
 大手前通りの北側に接する松江市母衣(ほろ)町の自宅で、「松江城大手前通り拡幅に反対し美しい街並みを保存する会」会長の三反田(みたんだ)輝雄さん(83)に話を聞きました。帰り際、格子ぶたのすき間から下をのぞくと、頑丈そうな古い石組みの溝が確かに見える。同じ町内会に住みながら、身近にそんな遺構があるとは知りませんでした。
 県物産観光館から、東の松江市総合体育館そばまで延びる通称・大手前通りは、幅約11メートルの道路です。大手前通りを含め武家屋敷があった街区には、現在も「武者隠し道路」と呼ばれる鉤(かぎ)型道路がいくつも残っています。“激変”が起こったのは約6年前でした。市内の渋滞緩和解消のため、環状道路・城山北公園線(延長約1040メートル)として整備されることになったからです。
 1期・2期計画では、03年度~14年度ごろにかけて4車線とし、右折だまりや、両側に停車帯、自転車歩行者道を設けた幅29メートルの道路を全通させます。「拡幅問題はまず昭和30年代に起こり、その時は、住民の反対運動が巻き起こり頓挫したんです。計画の再浮上に、じっとしていられなかった」と三反田さん。後に「城下町松江の景観と町づくりを考える会」も発足させ、現在は代表世話人を務めています。
 1日午後、近くの県民会館で「保存する会」「考える会」など主催の学習会があり、私も参加しました。財団法人・島根総合研究所理事長で、公認会計士の山根治さんが「大義名分なき公共工事」と題して講演。山根さんは「2工区(420メートル)について、県は20年以上先の平成42年の交通量1日2万台を基準に費用対効果を計算している。保存する会の調査では、交通量は現在、1日1万1000台がせいぜい。日本の自動車の保有台数は既にピークを迎えているのに、交通量を水増しし過ぎている」と批判しました。
 事業主体の県にも話を聞きました。土木部都市計画課の林秀樹課長は「武者隠し道路など、当時の道がそのまま残っているのは大きな財産。しかし、大手前通りは右折ラインが十分に確保できず、ラッシュ時には身動きが取れない。これは何としても解消すべきです」と言います。「12年度には、建て替え中の松江赤十字病院が完成する予定です。ところが、日赤前の交差点は路線バスが曲がれない。お年寄りや体の不自由な人たちのために病院そばに停留所を作る。それは必要な施策です」とも。
 29メートル幅の道が必要かどうか、私は正直、釈然としません。費用対効果の一つの指標として「交通事故減少便益」がありますが、道路幅が広がれば、お年寄りは渡り切るのに時間がかかります。信号待ちの時間が増え、かえって効果は薄れると思うのですが、どうでしょうか。行政、住民双方の話し合いの余地はまだまだありそうです。【松江支局長・元田禎】
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