鎌倉の公衆トイレ フタたび盗難被害

鎌倉市は26日、材木座海岸の第1公衆トイレと第2公衆トイレから、ステンレス製の排水側溝用ふた(約36万円相当)が盗まれた、と発表した。第1公衆トイレでは8日にも同様の盗難があり、対策を取らなかったため、残されたふたの多くが今回持ち去られた。市観光課は「また盗まれるとは思っていなかった」と話している。

 市によると、業者が清掃を終えた25日午後1時から26日午前7時半までの間に盗まれたとみられる。長さ約1・2メートル、幅15~30センチのふたが連なった形で床に置かれており、10個ほどが被害にあった。市は残されたふたを木製に交換し、ボルトで固定するなどの対策をとるという。

カスミサンショウウオ、保護活動実り産卵 岐阜高の生徒らが放流

岐阜市の岐阜高校の自然科学部生物班が3年前に放流した絶滅危惧(きぐ)種の両生類カスミサンショウウオが先月下旬、同市内の生息地で産卵した。同校が保護したカスミサンショウウオが繁殖したのは初めて。日本生態学会でも活動が認められ、審査員特別賞を受賞。生息数も増え始めており、部員たちの努力が希少種の成育を後押ししている。

 県内では2カ所で確認されているカスミサンショウウオだが、危機的な状況なのが岐阜市。生息地は、ある駐車場の側溝付近で、昨年確認できた成体数は17匹。渇水や農薬の流入などが懸念されたため、同校と各務原市の県世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」が、保護、放流活動を3年前に始めた。

 生徒たちは繁殖期の1月末から4月末にかけ、卵や幼生を保護。校内の水槽で餌を与えて育て、えらがなくなる「幼体」になる6~7月に側溝付近に返す。3年前は498匹、昨年は976匹を放流した。

 雄は2~3年、雌は3~4年で繁殖期を迎える。普段は側溝近くの落ち葉や腐葉土の下で生活し、繁殖期になると側溝内の水の中に雄と雌が姿を見せる。部員が放流した個体は昨年は確認できなかったが、今年は雄8匹と雌6匹が現れた。大きさから3年前に放流した個体であることが確実で、雌はそれぞれ卵が約40個入った卵のう一対を生んだ。

 側溝付近のごみを拾ったり、農薬の流入を防ぐ堰(せき)を設けたりするなど環境も整備してきた。2年前に確認した成体の数は4匹だったが、今年はすでに40匹。部員は毎日交代で餌やりを続け、2年小嶋一輝部長は「活動が報われてうれしい。いずれは人の手がなくても生きていけるようになってくれれば」と期待している。
部員はカスミサンショウウオの遺伝子を調べ、他県の個体より、近親交配が少なく遺伝的多様性が高いことも突き止めた。顧問の高木雅紀教諭(44)は「粘り強く続けた生徒たちの情熱を知ってもらえれば」と話した。

 カスミサンショウウオ  主に西日本に生息し、体長は6~13センチでオタマジャクシのような愛らしい姿が特徴。県内の生息域は岐阜市、揖斐川町の2カ所のみで、岐阜県が愛知県とともに国内生息域の東端とされる。幼生期に9割以上が死滅してしまい、環境省は絶滅危惧(きぐ)2類、県は1類に指定している。

結婚式場の送迎バス横転、16人が重軽傷

20日夜、大分県日田市内の国道212号を走行中のマイクロバスが路外に逸脱。道路左側の側溝に脱輪した弾みで横転した。バスは結婚式場が所有する送迎用のもので、当時は乗客乗員17人が乗車していたが、客1人が重傷。15人が軽傷を負っている。

大分県警・日田署によると、事故が起きたのは20日の午後7時15分ごろ。日田市大山町西大山(N33.15.20.7/E130.57.55.5)付近の国道212号を走行していたマイクロバスが道路左側の路外に逸脱。側溝に脱輪した。

バスはこの弾みで横転滑走。乗客16人のうち、74歳の女性が骨折などの重傷。他の15人も座席から投げ出された際に打撲などの軽傷を負っている。運転手はシートベルトを着用していたためにケガはなかった。

現場は片側1車線の直線区間。バスは結婚式場が所有する送迎用のもの。当時は強い雨が降っており、視界が極めて悪かった。警察ではバスが対向の大型車とすれ違う際、左側に寄せすぎて脱輪に至ったと推測している。

順延重ねた果て悲劇 野焼き3人死亡

現場で何があったのか――。20日午前、御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場で発生した野焼き作業中の事故は、尊い3人の命を奪った。1100人以上が参加して、野に火を放つ作業中の事故。現場付近では、16メートルを超える風も観測されたが、関係者は「作業前は穏やかな天候だった」と口をそろえる。実施判断や作業手順、安全対策に問題はなかったのか、御殿場署は捜査を進める方針だ。

 「今日は天気がよくてよかったねと、みんなで話していたのに……」

 野焼きを主催した東富士入会組合の関係者は肩を落とした。当初、野焼きは2月下旬に実施する予定だったが、天候不順で順延が重なっていた。ようやく実施にこぎ着けた矢先、張りきって臨んだ春の恒例行事で悲劇は起こった。

 作業開始前は、それほど風もなく、天候は穏やかだった。ところが、午前9時25分ごろ、着火作業を始めて間もなく、突然強い風が吹き始めたという。

 「事故があったようだ」。無線を通じて仲間から連絡が入ったのは午前10時すぎ。何が起きたかわからず、確認作業に追われた。やがて、参加者が火に巻かれたとの情報が入り、続いて3人の死亡確認が伝えられた。

 死亡した3人は、自衛隊の車両で御殿場市新橋の富士病院に運ばれた。連絡を受けた集まった関係者らは午後3時すぎ、遺体と対面した。泣き崩れ、抱きかかえられるように処置室から出てくる女性や肩を落とす男性の姿がみられた。遺体と対面した男性は「(遺体の損傷がひどく本人か)全然分からない」とつぶやいていた。

 この日の野焼き作業には約1100人以上が参加していたが、このうち行方が分からなくなっている3人の男性は、いずれも野焼き作業などを手伝うため、地元の御殿場市川島田地区から参加していた。地元区長らによると、住民で作る「火防隊」と呼ばれる組織のメンバーで、仲間5人で作業に加わっていたという。

 同じ川島田地区に住み、以前、野焼き作業を経験したことがあるという男性は「風があると火が回るのが早くて怖い。自分も自衛隊車の通る側溝に避難して、火を避けたことがある」と険しい表情で話した。

 演習場周辺ではこの日、時折、10メートルを超える強風が吹き荒れた。静岡地方気象台によると、午前10時前には最大瞬間風速16・4メートルを観測。午前中は、平均7メートル前後の風が吹き続けていたという。

 午後になっても風はおさまらず、消火作業はこの日夕方まで続いた。演習場入り口付近に設けられた自衛隊の仮設テントには、砂ぼこりが舞う中、消火作業を終えた隊員らが続々と戻ってきた。

 周辺では、煙のにおいが漂い続けた。消火作業にあたった隊員の一人は「ガスがかっていて強風なので、残火の確認も念入りにやらなければならなかった」と疲れた様子で話していた。

下益城郡美里町などで鉄製の側溝フタ100枚以上なくなる

下益城郡美里町などの町道や県道で、鉄製の側溝のフタ計100枚以上がなくなっているのがわかりました。警察は何者かが盗んだものとみて調べています。美里町によりますと、今月10日の朝、住民から「側溝のフタがなくなっている」と通報があり、調べたところ町道で14枚の鉄製のフタがなくなっていました。その後も住民から通報があり、今日までにわかっているだけで計68枚のフタがなくなっているということです。なくなったフタは鉄製で幅が約40センチ、長さが約50センチと1メートルの2種類あり、長さが1メートルのものは重さは30キロを超えるということです。また、宇城地域振興局などによりますと、美里町や宇城市豊野町、上益城郡甲佐町などの県道などでも同じように側溝のフタが計50枚以上なくなっているということです。側溝のフタがなくなった場所はいずれも家が少なく、人や車の通行量が少ない場所に集中していて、工事中で通行止めになっている区間からもなくなっていました。美里町などはフタがなくなったところに目印を置くなどの対策をとっていますが、これからの季節は山菜を採るために町道を通る人が増えることから注意を呼びかけています。

トレーラーから油流出

伏見の外環状線
 16日午前6時ごろ、京都市伏見区桃山町和泉の京都外環状線で、「トレーラーからエンジンオイルが漏れている」と市に通報があった。

 市によると、オイル約40リットルが路面の約500メートルにわたって漏れ、一部が側溝を伝って山科川に流れ込んだ。路面のオイルは市伏見土木事務所などが回収した。山科川の現場から約1キロ下流で一時、薄い油膜がみられたが、すでに消失したという。

感謝状:富士宮市長に 行政無線で逃走情報、窃盗容疑3人逮捕 /静岡

富士宮市が行政無線で窃盗事件の容疑者3人の逃走情報を流したことで逮捕につながったとして、県警は小室直義・同市長(61)に感謝状を贈った。行政無線は災害情報の放送に主に使われており、県警によると不審者に関する情報提供を呼びかけるのは異例という。

 事件は2月9日午前6時ごろ、三島署員が三島市内で盗難ナンバープレートを付けた不審な車を発見。緊急配備されたパトカーが富士宮市内まで車を追ったが、乗っていた男3人は車を捨て、ばらばらに逃走した。

 同市は富士宮署から相談を受け、不審者が逃走したとの情報を行政無線で放送。市民から「見知らぬ男が全力で走っていた」「側溝の中に男がいた」などの情報が約50件寄せられたという。同署は1回目の放送から約2時間後、3人を市内で次々に見つけ、窃盗容疑で逮捕した。

 小室市長は「とっさの判断が良い結果につながった。振り込め詐欺の注意喚起など今後に生かしたい」と話した。【平林由梨】

海岸の公衆トイレで側溝用の金属製ふたが盗まれる/鎌倉

 鎌倉市は8日、材木座海岸の第一公衆トイレで、ステンレス製の排水側溝用のふた(グレーチング)が盗まれたと発表した。被害届を受け、鎌倉署では転売目的の盗難の可能性もあるとみて調べている。

 市によると、盗まれたのは長さ30センチ~1メートル程度のふた計約10枚。女子用トイレはすべて、男子用は一部がなくなっていた。被害金額は約37万円という。

 清掃業者が6日午後2時にトイレを訪れて被害に気付き、8日に市に通報した。同じ業者が被害に気付いた前日の5日午後1時半ごろトイレをあとにしており、この間の犯行とみられるという。

 盗難防止のため、ふたは金具で連結され、1枚だけでは取り外せない構造になっていたが、金具ごと盗まれた。材木座海岸と由比ガ浜海岸には3カ所の公衆トイレがあるが、被害は1カ所だけという。

 側溝は深さ10センチほどで、市では板でふさいで応急処置する方針。市観光課は「ボルトなどで固定するとメンテナンスに支障も出る。どう対策を取るか考えていきたい」としている。

広島、島根県警 島根県立大生事件に懸賞金  情報求めチラシ配布

北広島町の臥龍(がりゅう)山で昨年11月、島根県浜田市の同県立大1年平岡都(みやこ)さんの遺体が見つかった事件は26日、未解決のまま、平岡さんが行方不明になってから4か月となった。この日から有力な情報提供に最高300万円が支払われる公費懸賞金制度が適用され、広島、島根両県警は情報提供を呼び掛けるチラシを配布し、事件解決への協力を求めた。

 県内では、北広島町有田のショッピングセンター「サンクス千代田店」と安芸太田町加計のスーパー「サンシャイン加計」で実施。サンクス千代田店では「有力情報に特別報奨金」などと書かれた立て看板を設置。山県署員12人が「ご協力お願いします」と買い物客に呼び掛け、平岡さんの写真や、住んでいた学生寮の位置を示した地図などを記載したチラシを配った。

 同署の前田英雄署長は「ささいなことでも、事件と関係があると思ったら連絡してほしい」と話した。また、平岡さんの両親は両県警を通じて、「犯人につながる情報が寄せられることを願っています」とのコメントを出した。情報提供は両県警合同捜査本部のフリーダイヤル(0120・385・301)へ。

 平岡さんは昨年10月26日、アルバイト先の島根県浜田市のショッピングセンターを出た後、行方不明となり、11月6日に頭部が発見されて以降、同山で足や胴体なども発見された。

 一方、同月30日に平岡さんの帰宅経路近くの側溝で見つかった靴の片方について、合同捜査本部が警察庁科学警察研究所に依頼して行った鑑定の結果、平岡さん本人の物と特定することはできなかった。

(2010年2月27日 読売新聞)

生活立て直し手探り 街に砂・泥、住民困惑 宮城沿岸

チリ大地震による津波が太平洋沿岸に押し寄せてから一夜明けた1日、宮城県内の沿岸市町では漁業者が養殖施設などの被害確認を急ぎ、冠水した道路に散乱したごみの片付けに追われる住民の姿も目立った。津波到来で19万人に避難指示・勧告が出され、気仙沼市、南三陸町などの一部では避難所で不安な夜を過ごした住民もいたが、1日朝までにほとんどが帰宅した。

<石巻市>   
 カキを中心に養殖施設に被害が確認された市内の各浜では1日早朝から、漁業者が被害の確認作業に追われた。

 牡鹿半島にある石巻市狐崎浜の県漁協石巻市東部支所では1日午前6時から、組合員総出で全漁船74隻を海に出し、被害調査を実施した。

 いくつものカキの養殖いかだが絡まり合ったり、流されたりして「すぐには手を出せない状態」と支部幹部。阿部和芳支所長は「潮の満ち引きが強く、海中で渦を巻いたのではないか」と推測。被害の拡大に困惑の色を隠せなかった。

 東松島市でも「浅瀬にあったノリ養殖施設30基が大破した」(県漁協宮戸西部支所)「小型漁船1隻が流され水没」(県漁協矢本支所)などが確認され、漁業者の不安が広がった。

<気仙沼市>  
 1240人が学校などに避難したが、28日夜のうちにほとんどが帰宅。海沿いに住むお年寄りや福祉施設の入所者ら53人が学校体育館などで朝を迎えた。津波警報の解除を受け、1日午前9時ごろまでに全員が自宅や施設に戻った。

 道路が冠水した気仙沼湾や大島・浦の浜漁港では商店や住宅に流れ込んだ海水をかき出したり、ぬれた段ボールを捨てたりする作業に追われた。

 同市魚町の酒造店の村上善之さん(54)は「警報が出てすぐに机や書類などを2階に運んだので被害は最小限に抑えられた。ただ、約20センチの高さまで泥水が入り、床や壁の汚れを落とすのは大変だ」と話した。

 前日に28便が運休した気仙沼と離島・大島を結ぶ大島汽船は1日の始発から通常通り運航した。

<塩釜市>   
 塩釜港では津波で養殖施設が航路に流出したため午後3時半まで航行禁止となり、松島観光や離島航路に影響が続いた。

 マリンゲート塩釜は、遊覧船の運休で訪れる客も少なく閑散としていた。遊覧船の社員は「航路の安全が確認できるまでは何もできない」と船の点検をしていた。

 松島ベイクルーズ(塩釜市)は全12便が運休。団体客ら約100人の予約を断った。2日に航路の安全を確認した上で、午前10時から運航再開する。マリンゲート塩釜と浦戸諸島を結ぶ市営汽船は、浦戸発の1便だけを運航。2日は、早朝と夕方の便以外を運航する。

 野々島の浦戸二小、浦戸中は市営汽船の運休で臨時休校したが、2日から授業を再開。市教委の担当者は「1日だけの休校で済んだ」とほっとした表情だった。

<女川町>   
 町の中心街が冠水したため、住民や町職員が店、道路の清掃に追われた。
 浸水した道路や店舗には、津波が運んだ砂や側溝からあふれた泥が広がった。商店主らは、早朝からブラシで砂を掃き出す作業に精を出した。海水を吸った土のうを店の前に出して乾燥させたり、被害を避けて店頭から外した商品を陳列し直したりする姿もあった。

 電気店の男性店主(45)は「けさは2時間ほど早く来て店を片付けた。床から商品を離して、被害を防げたのが何より」と胸をなで下ろした。

 浸水で電気回線がショート、自販機が壊れ、店も停電したという薬局の女性(74)は「50年前にチリ沖地震の津波を経験していたので怖かった。この程度の被害で済んでよかったと思いたい」と話した。

<南三陸町>  
 住宅4棟が床上、床下浸水したほか、養殖施設が打撃を受けた。
 津波が岸壁を約20センチ越えた同町志津川の袖浜漁港では、カキ養殖業者が流された重りを修理するための準備に追われた。重りを漁船に積み込んでいた50代男性は「70キロの重りを100個ほど付けているがほとんど流された。カキそのものに被害が無かったのがなにより」と話した。

 カキむき施設は事前に機械類を避難させていたこともあり、被害はなく消毒をして数日中に使えるようになるという。

 ワカメの見回りをして新漁港に戻ってきた養殖業の三浦吉助さん(72)は「ワカメの養殖ロープが集まって絡み合っている。収穫間際で早く直せば被害は少ないが、海が落ち着くまでは手のつけようがない」と肩を落とした。

<仙台市>   
 市消防局によると、1メートル10センチの津波が観測された仙台港周辺を含めて冠水などの目立った被害はなかった。津波注意報が解除された1日午前10時15分に警戒配備も解散した。

 市内沿岸部の小中学校などに避難した住民は28日午後9時までに全員が帰宅した。

 市は1日、青葉区のおおまち商店街とサンモール一番町商店街で買い物客や観光客を対象とした避難誘導訓練を予定していたが、中止とした。

 市消防局防災安全課の村上明伸課長は「気象庁の当初の予報通り3メートルの津波が来たら、被害なしでは済まなかっただろう。現場から持ち上がる課題を精査して、迅速な初動対応につなげたい」と話した。

<塩釜・浦戸138世帯一時断水>
 塩釜市・浦戸諸島の野々島、寒風沢島、朴島で2月28日午後6時半ごろ、3島の全戸138世帯が断水した。津波の影響で海中送水管が破損したためとみられ、別系統の送水管に切り替えて、1日午後4時すぎに復旧した。

 浦戸諸島の水道は、塩釜市の浄水場から海中送水管で桂島を経由して3島に送られている。

 市は桂島と野々島の間を結ぶ海中送水管が、津波の影響で破損した可能性が高いとみている。備蓄しているペットボトルの水を各戸に配布した。

2010年03月02日火曜日