文化審答申:出雲の越堂たたら跡など、国指定史跡に追加指定 /島根

11月26日17時1分配信 毎日新聞

 国の文化審議会(石沢良昭会長)は、出雲市多伎町の越堂(こえどう)たたら跡と聖谷たたら跡を国指定史跡「田儀櫻井家たたら製鉄遺跡」に追加指定、徳城峠越と野坂峠越(津和野町)を同「山陰道 蒲生峠越」(鳥取県岩美町)に、追加指定し、名称変更するよう文部科学相に答申した。県内の国指定史跡は1件増の49件となる。
 田儀櫻井家たたら製鉄遺跡内では、出雲市多伎町の宮本鍛冶山内遺跡と同市佐田町の朝日たたら跡が06年、国に史跡指定されている。田儀櫻井家は近世から1890年まで、出雲で有数の鉄生産規模を誇った鉄師。出雲市は関連のたたら跡の調査を継続し、今回答申されることになった。追加指定の答申があった越堂たたら跡は、多くのたたら跡が山にある中、海岸近くにあり、長期経営されていた点が評価された。聖谷たたら跡は比較的初期のもので貴重という。
 「山陰道 蒲生峠越」は05年、国に史跡指定された。津和野町の2カ所が追加指定され「山陰道 蒲生峠越・徳城峠越・野坂峠越」と名称変更を答申。徳城峠越は津和野城下から浜田藩に行く途中まで延長約3キロ、野坂峠越は長州藩境から城下入り口まで延長1・4キロで番所跡や石敷き、側溝などがある。文化人の往来などで大きな役割を果たした、近世山陰道の益田―津和野間は津和野藩が整備した。津和野町の調査で旧状がよく残っていることが分かり、答申された。【御園生枝里】

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