被害の女子学生狙って待ち伏せか 島根・遺棄事件

 島根県立大(同県浜田市)1年の平岡都(みやこ)さん(19)の遺体が遺棄された事件で、犯人が平岡さんを狙って待ち伏せし、短時間で連れ去った疑いのあることが捜査関係者の話でわかった。平岡さんがアルバイト先のショッピングセンター(SC)を退店してから、別の学生ら数人が平岡さんの帰宅路の山道を相次いで通っていたことも判明。この学生らも、平岡さんの前後にSCを出た従業員も不審な人物を目撃していない。目立たない場所で、車で待ち伏せしていた計画的な犯行の可能性が高いという。

 平岡さんが行方不明になってから26日で3カ月になる。島根、広島両県警の合同捜査本部によると、平岡さんは2009年10月26日午後9時15分ごろ、浜田市内のSCを出た。平岡さんの携帯電話や自宅のパソコンには通話や通信した記録がないことから、同本部は平岡さんがバイト後にだれとも待ち合わせをせず、1人で大学近くの女子学生寮へ歩いて帰る途中、車で連れ去られたとみている。

 SCから女子学生寮は南東へ約2.6キロ。市街地を抜けて山道に入る。山道近くの側溝では平岡さんのものとみられる左足の靴が見つかった。捜査関係者によると、県立大の全学生約1千人の聞き取りを進めた結果、少なくとも数人の同大の学生が同じ山道を午後9~10時に通っていたことがわかった。平岡さんが山道を通ったとみられる午後9時半ごろとほぼ同時刻に歩いていた女子学生も1人いたが、不審者から声をかけられていない。

 また、平岡さんがSCを出た前後に、同じ出入り口から退店した従業員や、SC近くに止まっていたタクシーの運転手らも不審な人物を目撃したり、悲鳴などを聞いたりしていないという。このため犯人は平岡さんを狙って目立たない場所で待ち伏せし、短時間で連れ去った可能性があるという。

 平岡さんと親しい人との間で事件につながるようなトラブルは浮かんでいない。捜査関係者は「犯人は平岡さんとのつながりが薄く、一方的に知っているストーカー的な人物の可能性がある」とみている。

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