村上市蒲萄(ぶどう)の国道7号脇の側溝で、切断された胴体と両足が見つかった殺人・死体遺棄事件は、1日で発生から1週間が経過した。村上署捜査本部は約100人態勢で、現場周辺での聞き込みや捜索活動を続けており、殺害された男性の身元特定に全力を挙げている。
遺体が見つかったのは、5月25日午前10時35分頃。車で現場を通りかかった神奈川県の男性が、県道沿いのUターンスペースに立ち寄った際、側溝内に、切断された両足があるのを見つけた。そのそばには、首と両手首を切断された胴体が、布で包まれ、ビニールひもで結ばれた状態で遺棄されていた。
遺体の胸などには刃物による複数の刺し傷があり、心臓や肺に達するものもあった。司法解剖の結果、死因は出血性ショックと判明した。
捜査本部によると、男性は5月21~23日に殺害されたとみられる。胃には内容物が残っており、アルコールが検出された。遺体の腕には、外部から襲われた際に攻撃を防ごうとしてできる外傷がなく、酒を飲んだ後などに突然、何者かに襲われた可能性もある。
捜査本部はこれまで、捜査員延べ200人を投入し、現場周辺の川や林道、山形県境の県道などを捜索したが、切断された頭部などの発見には至っていない。また、近くの集落で約360世帯に聞き込みを行ったが、いまのところ犯行時間の特定につながる有力な情報は少ないという。
捜査本部は、5月21日~25日の間で、遺体が遺棄された時間の絞り込みを進めるとともに、布などの流通経路の割り出しを急いでいる。情報提供は村上署捜査本部(0254・52・0110)まで。
(2010年6月2日 読売新聞)