グレーチングでイノシシ撃退

中国新聞’13/9/2

 山口県農林総合技術センターは、柵で閉め切らず農地をイノシシから守る新たな防護策の実証実験を、山口市上小鯖で今月中旬から始める。金属製の格子状のふた(グレーチング)を地面に設置し、侵入を防ぐ全国的にも珍しい手法。1日、実験に協力する地元農家への説明会があった。

 実験は、グレーチングを耕作放棄地に設置。両側にフェンスを張り、侵入口の反対側に餌のサツマイモを置いて監視カメラでイノシシを観察する。餌を取ろうと侵入すれば足がはまって進めないとの見立て。イノシシが餌まで到達できないグレーチングの長さや、設置した下の穴の深さを調べる。

 同センターはこうした防護策が他県でシカ対策に実用化されていることに着目。電気柵が設置できない箇所などへの設置を想定する。

 この日は、仮置きしたグレーチングを地元農家たち約10人に披露し、狙いなどを説明した。実験は3年計画。佐渡靖紀専門研究員は「電気柵で覆った農地の入り口に設置すれば柵の開閉の手間も省ける。実用化に向けて取り組みたい」としている。

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