コンクリートに香り 小野の阪神工業、試作品開発

コンクリート製品製造販売の阪神工業(小野市)が、香りの立つコンクリート開発に取り組んでいる。社内や地元高校生から出たアイデアを基に試作までこぎ着けた。香りをまちづくりに生かそうと5月29、30両日に同市内で開催される「全国ハーブサミット」への出展も決まり、製品化を目指し改良を重ねている。(三宅晃貴)

 同社は1967年設立。道路の壁や側溝などコンクリート製建設資材を手掛け、2009年度の売上高は約50億円。建設需要の落ち込みに対応するため、社内で新製品のアイデアを募ったところ、女性従業員が「コンクリートの冷たくて無機質なイメージを変えるようなすてきな香りがする製品ができれば、癒やされるのではないか」と提案し、昨年9月から開発し始めた。

 また同社は、小野商工会議所などが音頭を取り、市内の企業と市民が共同で売れる商品づくりを目指す取り組みにも参加。用途を探ろうと、県立小野高校の生徒と教諭ら86人に活用法をアンケートした。その結果、トイレや風呂場など水回りでの利用が見込まれることが分かった。

 コンクリートに香水を混ぜて固め、試作品ができあがったが、香りが3カ月ほどで消えてしまうのが課題という。同社は「香りの持続性を高めて、これまでにない製品に育てたい」としている。

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