11月11日15時46分配信 産経新聞
建材などに使う亜鉛メッキ鋼板の価格カルテル疑惑で、日新製鋼(東京)などの大手鋼板メーカーが平成14年以降、計5回にわたり値上げ幅などを決める価格調整を行い、業績を回復していたことが11日、関係者の話で分かった。公正取引委員会は同日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で日新製鋼など3社を検事総長に刑事告発。東京地検特捜部は同日中に3社の本社など関係先の一斉捜索に乗り出すとみられる。
ほかに告発されたのは、「日鉄住金鋼板」(東京)と「淀川製鋼所」(大阪)。「JFE鋼板」(東京)もカルテルに加わったが、自主申告したため告発は見送られた。
関係者によると、日新製鋼など各社は平成14年ごろ、販売価格の下落や原材料費の高騰で業績が悪化していたため、カルテルを結んで販売価格を値上げすることを計画。営業担当部長らで構成する「部長会」を開き、商社経由で問屋に販売する亜鉛メッキ鋼板を1キロ10円値上げすることで合意。同年10月に実行し、その後も16年4月と10月、17年4月、18年7月の5回、価格調整したという。特捜部は、公訴時効(3年)にかからない18年7月について、立件するとみられる。