迷いサケ:哀れ、用水路に--美里 /宮城

11月19日13時1分配信 毎日新聞

 鳴瀬川から取水している美里町小牛田の農業用水路に遡上(そじょう)してきたサケの小群が迷い込み、次々力尽きている。今月上旬、小学生が同川中流堰(せき)近くで1匹見つけたのが最初。その後、地元の元高校教諭、河野真人さん(60)が調べたところ、用水路の下流約2キロにわたり約30匹を確認。17日現在生き残っているのは半数以下とみられる。
 河野さんによると、サケの群れは中流堰から迷い込み、産卵場所を求め奥へ奥へと入り込んだようだ。サケの卵粒が数カ所にまとまってあったが、未受精卵のようで、変色していた。産卵環境にほど遠い状況で、子孫を残す可能性はごく薄いとみられる。
 同川はサケ遡上水系の一つで、地元漁協による捕獲・採卵・放流事業が行われている。用水路は幅60センチ~3メートルで水かさが浅く、人が近づくと水しぶきを上げて逃げ回る。迷いサケの目撃はまれという。【小原博人】

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