11月20日15時2分配信 毎日新聞
◇市有地との換地など2案
今年限りで閉園する倉敷チボリ公園の跡地利用に関して、伊東香織・倉敷市長は19日、公園整備構想を明らかにした。市有地との換地案と、換地に加え土地の一部購入・賃借を想定した緑地保全を予定している。27日開会の11月定例市議会での議論や市民との意見交換などを踏まえ、地主のクラボウと交渉する予定。【山崎明子】
市は、園内の用水路沿いにある市有地や、民間の開発事業者に義務付けられている緑化面積など約1~2ヘクタールを集積して現在の樹木を維持することを基本構想としている。
具体的には2案を提示した。第1案は、公園の中央を流れる用水路両岸の市有地を拡幅して、幅22メートルの緑道(用水路分4メートルを含む)にする。拡幅分の土地は園外に隣接する市有地0・43ヘクタールと等積交換する。同時に民間開発に際して、敷地の4%の緑化を事業者に義務付けた市自然環境保全条例により、0・48ヘクタールを確保、敷地中央に緑地を配置する。
第2案は、第1案に加えて1ヘクタール程度の土地を確保して、園外の公園予定地とつなげる。土地の賃借費用は年間5000万円、購入する場合は十数億円と試算。第1案は初期投資に2億円、年間管理費1300万円、第2案は同4億円と2600万円を見込んでいる。
公園は無料の緑地公園とし、既存の樹木やトイレ設備などを活用する考え。土地の確保には国の補助制度を活用するとともに、県にも一定の協力を求める方針。整備開始は土地返還後の10年2月以降になる見通し。
会見した伊東市長は、市民と直接対話する「市民ふれあいトーク」の場などで意見を聞いたうえで回答することを明らかにした。一方、県から打診があった県有施設については譲渡を受けない方針。
倉敷市の構想について、クラボウ広報グループは「今後市からの説明を受けた上で検討したい」、チボリ・ジャパン社の坂口正行社長は「緑のスペースが残る方向で協議を進めていく方針は喜ばしい」とコメントした。