11月21日16時2分配信 毎日新聞
県埋蔵文化財調査センターは20日、松江市西尾町の鞍切(くらきり)遺跡の4号墳から、箱式石棺、大刀、石棺内部には被葬者の枕とみられる石材が見つかったと発表した。いずれも古墳時代中期ごろの埋葬品で、同センターは「埋葬形態がよく分かり、朝酌地域の古墳時代の社会を考える上で貴重な資料」としている。
総面積約1万平方メートルの鞍切遺跡内には4基の古墳がある。4号墳のある2区(約2700平方メートル)の調査は今年9月下旬から開始、12月中旬までを予定している。
4号墳は一部破壊されているが、11メートル四方の方墳と推定される。古墳時代中ごろに造られ、墳丘の中央には、長さ2メートル、最大幅0・5メートルの箱式石棺がある。石棺内には被葬者の枕として使われた可能性がある石材(長さ24センチ、幅12センチ、厚さ5センチ)、石棺外からは大刀の一部が出土した。
また、4号墳の南方の「出雲三十三所観音巡礼路」として江戸時代に使用されていた街道(調査部分は長さ28メートル、幅1・4~1・8メートル)では、側溝が造られ、路面には石や砂が敷かれていることが分かった。
24日午前10時から現地説明会が開催される。問い合わせは第五大橋発掘調査事務所(0852・39・9030)へ。【御園生枝里】