3月1日9時39分配信 読売新聞
家庭ゴミ800グラムを市道に不法投棄したとして、静岡市駿河区の無職男性(68)が廃棄物処理法違反の罪で、静岡簡裁で罰金8万円(求刑・罰金15万円)の判決を受けていたことが28日、わかった。
静岡市が「男性を指導したが不法投棄を繰り返した」として、静岡中央署に通報していた。同市産業廃棄物対策課は「不法投棄はゴミの量が問題ではない」とし、ゴミが出やすい春の引っ越しシーズンを前に警戒を強めている。
捜査関係者らによると、男性は2008年5月18日午前、同市葵区黒金町のJR東海道線の高架下付近に、総菜の空きパックなどが入ったゴミ1袋を捨てたとして、静岡簡裁から罰金10万円の略式命令を受けた。男性は「納得できない」として正式裁判を求め、公判が開かれていた。
男性の弁護人によると、男性は「(ゴミは)捨てたのではなく置いただけ。後で取りに来ようと思った」などと無罪を主張。類似事件と比較しても起訴はバランスを欠き、検察官による公訴権の乱用と主張したが、認められなかったという。
同市では、不法投棄されたゴミから捨てた個人を特定できれば指導し、それでも従わない場合は積極的に警察に情報提供しているという。
同市が家庭ゴミなど一般廃棄物の不法投棄を警察に通報した件数は、05年度9件、06年度11件、07年度は16件と増え続け、08年度は2月23日現在で17件に上る。
05年5月には、大学進学のために同市駿河区に転入した学生の両親が、引っ越しで出たゴミを道路の側溝などに捨てたとして、計40万円の罰金が科せられた例もあるという。