【地方官僚VS人民】おから工程で辞任の局長を再任、非難轟々

4月3日12時22分配信 サーチナ

 陝西省寧陝県常任委員会が3月23日、田為斌氏を県民政局局長に任命したことが、ネットユーザーを激怒させている。実はこの田為斌、昨年10月に発覚した「おから工程(手抜工事)」事件で引責辞任させられた人物だったのだ。

 田為斌が同県交通局長を務めていた10月、県交通局が整備を担当した村級セメント道路に欠陥が見つかる。道路は明らかな手抜き工事で、側溝さえなく到る所が陥没していたという。また、県政府への陳情活動の中心となっていた村の医師に、脅迫状が送られてくるなど同事件は地域では誰もが知るところとなっていた。

 マスコミの報道により事態が大きくなると、県常任委員会は11月末、局長の田為斌を引責辞任させた。しかし、その5カ月後、県常任委員会は田為斌を民政局局長へ再任用したのだ。

 この決定は、「引責辞任した幹部は、新しい職務で1年以上突出した業績をあげた場合にのみ幹部として再任用される」と規定する「党政領導幹部選抜任用工作条例」第62条に明らかに反しているではないか、とネット上で指摘されていた。

 事情に詳しい関係者によると、実は11月に県常任委員会が田為斌を引責辞任させる決定をした後、上級機関で表決を行わなければならないのだが、それが行われていなかったという。そのため、田為斌の引責辞任は法律上は不完全なもので、再任は「党政領導幹部選抜任用工作条例」第62条に反しないのだという。だが、そのような事情は、人民はおろか県常任委員でも知る者は少ないという。

 事態を重く見たマスコミが31日、県常任委員会の決定に疑問を呈する記事を発表、事件が全国民の知るところとなると、県常任委員会は31日夜、ついに再任の決定を撤回すると発表した。

 あるネットユーザーは、「汚職官僚が再任されるなんて、天が許さないだろう。こんなことをしていたら早晩農民による大蜂起が起こるぞ」と憤る。(編集担当:古川則仁)

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