3R推進功労者等表彰:県と協同組合に国交大臣賞 /岩手

◇廃棄物をコンクリート製品化
 県工業技術センターと県コンクリート製品協同組合が、不法投棄された産業廃棄物をコンクリート製品に利用する技術を開発し、今年度の「リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰」の国土交通大臣賞に選ばれた。

 表彰は3Rに率先して取り組み、実績を上げている個人や団体に対し、内閣府など8府省と関係業界団体などでつくる協議会が毎年実施している。

 同センターは、03年から、岩手・青森県境に不法投棄されたごみや、工業用の有機溶剤などの産業廃棄物を再利用する方法を研究してきた。廃棄物を1400度以上の炉で溶かした後、残った無機物を冷やしてできた「スラグ」という砂状のものを、セメントなどと混ぜ、コンクリートにする。

 05年からは企業の協力で側溝やブロックに製品化してもらい、盛岡市や滝沢村で試験施工した。品質を確認しつつ、年間約1000トンのスラグを企業に提供し、更に製品化を進めている。

 県境には岩手側だけで30トン近い廃棄物があり、同センター環境技術部の菅原龍江・上席専門研究員(54)は「リサイクルすれば広大な処分場を作る必要もない。利用が広がることを期待したい」と話している。【山中章子】

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