アルゼンチンアリ生息調査“しらみつぶし”

各務原市東部で大量発生が問題化している南米原産の特定外来生物「アルゼンチンアリ」の生息状況を把握する現地調査が19日、JR鵜沼駅周辺の住宅地で始まった。環境省の防除モデル事業の一環で、専門業者が3日間で詳細な分布図を作製する。

 1993年の広島県を皮切りに1府6県で見つかり、岐阜県では2年前に各務原市で確認。行政と地元教諭が協力して調査を続けており、6月現在で駅周辺のおよそ30ヘクタールに潜むと推測されるが「侵入経路は不明」(市生活環境課)のままだ。

 19日は業者が3地区に分かれて踏査。住宅周辺で側溝やごみ捨て場などを入念に調べながら、住宅地図に分布状況を書き込んでいった。市販の殺虫剤で駆除できるが「地域で連携して倒さなければ焼け石に水」と市の担当者。地図を基に本年度中に防除計画を策定し、行政や自治会などが実施の検討会を立ち上げる方針だ。

 アルゼンチンアリは体長約2・5ミリの茶褐色で、在来のアリと比べて細長く、動きが素早いのが特徴。多女王制で巨大なコロニーを作り、強い繁殖力で巣を年間100メートルも拡大させるという。

 病気は媒介しないといわれるが、屋内で行列を作って食べ物にたかり、就寝中に人の体をはいずり回ったりする“不快な虫”。甘い汁を出す農業害虫のアブラムシを保護する習性があり、在来のアリと勢力争いを繰り広げることから生態系や農作物の影響が懸念されている。

 (久下悠一郎)

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