西高東低の強い冬型の気圧配置となった13日、県内全域で強風、風雪注意報が出た。前橋地方気象台によると、館林市で午前10時20分頃に最大瞬間風速22・6メートルを記録するなど、各地で強風による影響が相次いだ。
県危機管理室などのまとめによると、午前9時30分頃、高崎市乗附町の住宅建設現場で、高さ約3メートルの足場で作業をしていた50歳代の男性が強風にあおられて地上に落ち、左足を骨折した。そのほか、同市内ではいずれも午前中に80歳代の男女が自転車走行中に転倒したり、散歩中に側溝に落ちたりして軽傷を負った。
前橋市青梨子町では午前10時半頃、鉄骨トタンぶき車庫(高さ3メートル、奥行き4メートル、幅5メートル)が強風で倒れ、市道をふさいだ。同じ敷地にある住宅には男性が一人暮らしをしているが、被害当時は不在で、通行人もいなかったためけが人はなかった。車庫は約3時間後に解体されたが、近くに住む松下広保さん(72)は「経験したことがないほどの強風が吹いていた。まさか路上に車庫があるなんて」と驚いていた。
高崎市内では民家のトタン屋根がはがれたり、ゲートボール場のトタン造りの簡易型休憩所(床面積12平方メートル)が約50メートル飛ばされたが、いずれもけが人はいなかった。
前橋市後閑町では午後2時10分頃、電柱の電線が切れ、周辺の約70世帯で停電があった。約35分後に復旧したが、東京電力前橋支社は「詳しい断線の原因はわからない」としている。
近くの同市宮地町では信号機1機も停電し、駆けつけた前橋東署員が約30分間、手動で交通整理をした。
また午前10時55分頃、埼玉県熊谷市のJR高崎線籠原―上野駅間の架線に、強風で飛ばされた農業用ビニールが絡まった。JR東日本高崎支社によると、このトラブルで上野―高崎駅間の上下4本が運休、同10本が最大40分遅れ、約9000人に影響が出た。
(2010年1月14日 読売新聞)