村上市蒲萄(ぶどう)の国道7号脇の側溝で、切断された男性の胴体と両足が見つかった事件で、村上署捜査本部は26日、遺体の刺し傷の状態などから、男性は殺害されたと断定した。殺人・死体遺棄事件として捜査を進めている。司法解剖の結果、死因は胸や腹などを刺されたことによる出血性ショックと判明。胴体から切断された頭部や両手首など、身元の特定につながる他の部位の発見を急いでいる。
捜査本部によると、発見された遺体はすべて同一の男性のもので、年齢は肌の状態などから20歳~30歳前後。身長は約1メートル75~1メートル80、足は実測24・6センチ、血液型はA型で、死後3~5日が経過していた。
胸や左脇腹などに見られる少なくとも4か所ある刺し傷のうち、2か所は心臓や肺にまで達する深さで、捜査本部は、何者かが殺意を持って刺したとみている。傷跡から、使用された刃物は1種類とみられる。
男性は何者かに殺害された後、鋭利な刃物で切断されたとみられるが、使用された刃物は特定されていない。胴体の両腕部分には、襲撃から身を守ろうとした痕跡は確認されなかったという。また、胴体には刺し傷以外に目立った外傷がなく、やけどや手術の形跡、ほくろなど、身元の特定につながるような身体的特徴も見当たらなかった。
捜査本部では、胴体を包んでいた黄色っぽい無地の布が、犯人につながる重要な手がかりになるとみて、流通経路を調べている。
捜査員らは26日午前から、現場の側溝やその周辺で、遺体の他の部位や遺留品がないか調べた。約20人態勢で付近の茂みや川の中に入り、棒を使って草をかき分けたり、川の石をひっくり返すなどしていた。
捜査本部は、27日から捜索を行う捜査員を70人態勢に拡充する方針で、捜索範囲を国道7号沿いの南北にまで広げる予定。
(2010年5月27日 読売新聞)