阪神甲子園球場が、今オフに外野芝生(約9000平方メートル)の総張り替えを行うことが11日、分かった。82年オフ以来27年ぶり。作業は12月中旬から行われ、1月末までに完了。3月上旬のオープン戦から新グラウンドの運用が開始される。また、撤去された芝生については橋下徹大阪府知事(40)の発案により、府内の学校の校庭緑化に使用したい旨を阪神電鉄に打診中。現在両者間で無償提供に向けた交渉が行われており、近日中に正式決定となる見込みだ。
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82年オフに総張り替えが行われた甲子園球場の外野芝生だが、近年は老朽化が進行。95年の阪神・淡路大震災の影響もあり、外野定位置、フェンス際付近などで起伏が見られるようになった。
06年オフからのスタンドの改修工事を契機に「グラウンドもリニューアルしようということになった」と電鉄関係者。12月13日のアメフットの甲子園ボウル終了を待って、グラウンドの若返り作業が施されることになった。
張り替えられる芝生は現行と同品種。また、同時進行で内野部分の黒土も一時的に運び出され、不純物が取り除かれる。さらに外野芝の水はけ向上のためフェンス際の側溝の改修も予定されており、グラウンド全体の大リニューアルとなる。
工期は1月末までを予定。3月上旬までを新芝生の養生期間に充て、オープン戦から新グラウンドが運用される。
撤去された芝生については、橋下知事の発案により、大阪府が校庭緑化のための譲り受けを希望。大阪・北野高時代にラグビーで全国大会に出場した経歴を持つ同知事は芝生に対する造詣が深く、早期から非公式レベルで阪神電鉄側に対して協力を要請していた。
現在、両者間で無償提供に向けた最終調整が進行中。府関係者は「その方向で動いています。前向きに進んでいます」と話しており、近日中に正式決定となる見込みだ。