長野市街地にイノシシ3頭出没 住民びっくり 2頭捕獲

長野市北部の住宅地で30日、少なくとも3頭のイノシシが出没、門扉やガラス戸などを壊す被害を出し、長野中央署や市などが追跡する騒動になった。市危機管理防災課によると、2頭は捕獲したが、1頭は山林へ逃げた。けが人は報告されていないが、かみつかれそうになった人も。3頭も住宅地に現れることは珍しいといい、市周辺部の里山でイノシシが増えている影響を指摘する声が出ている。

 同署によると、同日午前11時50分ごろ、長野市湯谷の住民から「2頭のイノシシがいる」と通報があった。

 市や県などの情報を総合すると、湯谷団地、吉田、稲田、富竹で、門扉の一部を壊す、建物のガラス戸を割る、車と接触する-などの被害があった=地図。1頭は午後1時ごろ、三輪のドラッグストア脇の側溝で捕獲、もう1頭は午後2時すぎに柳原の民家近くで捕獲された。別の1頭は午後4時ごろまでに上水内郡飯綱町境に近い同市吉(よし)の山林へ逃げ去り、見失った。

 市によると、捕獲されたのは雄と雌で、ともに体長約1メートル、体重40~50キロ。殺処分された。市はイノシシを追跡中、三輪や吉田では防災無線を通じて注意を呼び掛けた。

 柳原の男性(80)は午後1時半ごろ、庭木の剪定(せんてい)をしようと出た自宅庭にイノシシがいた。「2、3メートル先から、まさに猪突(ちょとつ)猛進で向かってきた」。ズボンにかみついたため、持っていた剪定用のこぎりでとっさにイノシシの頭を打つと、離れたという。

 柳原の捕獲作業を手伝った近くの長野市議、中野清史さん(59)は、国道18号に近い住宅地で近くには幼稚園もあるため、「過去に近所でイノシシが出たとは聞いたことがない」と驚いていた。

 市猟友会連絡協議会の小山英雄会長(70)は「3頭も住宅地に出没するのは珍しい」と指摘。繁殖力が強いとし、「市周辺部で野生の個体が増えて、山だけにいられなくなったのでは」とみている。

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