感謝状:富士宮市長に 行政無線で逃走情報、窃盗容疑3人逮捕 /静岡

富士宮市が行政無線で窃盗事件の容疑者3人の逃走情報を流したことで逮捕につながったとして、県警は小室直義・同市長(61)に感謝状を贈った。行政無線は災害情報の放送に主に使われており、県警によると不審者に関する情報提供を呼びかけるのは異例という。

 事件は2月9日午前6時ごろ、三島署員が三島市内で盗難ナンバープレートを付けた不審な車を発見。緊急配備されたパトカーが富士宮市内まで車を追ったが、乗っていた男3人は車を捨て、ばらばらに逃走した。

 同市は富士宮署から相談を受け、不審者が逃走したとの情報を行政無線で放送。市民から「見知らぬ男が全力で走っていた」「側溝の中に男がいた」などの情報が約50件寄せられたという。同署は1回目の放送から約2時間後、3人を市内で次々に見つけ、窃盗容疑で逮捕した。

 小室市長は「とっさの判断が良い結果につながった。振り込め詐欺の注意喚起など今後に生かしたい」と話した。【平林由梨】

海岸の公衆トイレで側溝用の金属製ふたが盗まれる/鎌倉

 鎌倉市は8日、材木座海岸の第一公衆トイレで、ステンレス製の排水側溝用のふた(グレーチング)が盗まれたと発表した。被害届を受け、鎌倉署では転売目的の盗難の可能性もあるとみて調べている。

 市によると、盗まれたのは長さ30センチ~1メートル程度のふた計約10枚。女子用トイレはすべて、男子用は一部がなくなっていた。被害金額は約37万円という。

 清掃業者が6日午後2時にトイレを訪れて被害に気付き、8日に市に通報した。同じ業者が被害に気付いた前日の5日午後1時半ごろトイレをあとにしており、この間の犯行とみられるという。

 盗難防止のため、ふたは金具で連結され、1枚だけでは取り外せない構造になっていたが、金具ごと盗まれた。材木座海岸と由比ガ浜海岸には3カ所の公衆トイレがあるが、被害は1カ所だけという。

 側溝は深さ10センチほどで、市では板でふさいで応急処置する方針。市観光課は「ボルトなどで固定するとメンテナンスに支障も出る。どう対策を取るか考えていきたい」としている。

広島、島根県警 島根県立大生事件に懸賞金  情報求めチラシ配布

北広島町の臥龍(がりゅう)山で昨年11月、島根県浜田市の同県立大1年平岡都(みやこ)さんの遺体が見つかった事件は26日、未解決のまま、平岡さんが行方不明になってから4か月となった。この日から有力な情報提供に最高300万円が支払われる公費懸賞金制度が適用され、広島、島根両県警は情報提供を呼び掛けるチラシを配布し、事件解決への協力を求めた。

 県内では、北広島町有田のショッピングセンター「サンクス千代田店」と安芸太田町加計のスーパー「サンシャイン加計」で実施。サンクス千代田店では「有力情報に特別報奨金」などと書かれた立て看板を設置。山県署員12人が「ご協力お願いします」と買い物客に呼び掛け、平岡さんの写真や、住んでいた学生寮の位置を示した地図などを記載したチラシを配った。

 同署の前田英雄署長は「ささいなことでも、事件と関係があると思ったら連絡してほしい」と話した。また、平岡さんの両親は両県警を通じて、「犯人につながる情報が寄せられることを願っています」とのコメントを出した。情報提供は両県警合同捜査本部のフリーダイヤル(0120・385・301)へ。

 平岡さんは昨年10月26日、アルバイト先の島根県浜田市のショッピングセンターを出た後、行方不明となり、11月6日に頭部が発見されて以降、同山で足や胴体なども発見された。

 一方、同月30日に平岡さんの帰宅経路近くの側溝で見つかった靴の片方について、合同捜査本部が警察庁科学警察研究所に依頼して行った鑑定の結果、平岡さん本人の物と特定することはできなかった。

(2010年2月27日 読売新聞)

生活立て直し手探り 街に砂・泥、住民困惑 宮城沿岸

チリ大地震による津波が太平洋沿岸に押し寄せてから一夜明けた1日、宮城県内の沿岸市町では漁業者が養殖施設などの被害確認を急ぎ、冠水した道路に散乱したごみの片付けに追われる住民の姿も目立った。津波到来で19万人に避難指示・勧告が出され、気仙沼市、南三陸町などの一部では避難所で不安な夜を過ごした住民もいたが、1日朝までにほとんどが帰宅した。

<石巻市>   
 カキを中心に養殖施設に被害が確認された市内の各浜では1日早朝から、漁業者が被害の確認作業に追われた。

 牡鹿半島にある石巻市狐崎浜の県漁協石巻市東部支所では1日午前6時から、組合員総出で全漁船74隻を海に出し、被害調査を実施した。

 いくつものカキの養殖いかだが絡まり合ったり、流されたりして「すぐには手を出せない状態」と支部幹部。阿部和芳支所長は「潮の満ち引きが強く、海中で渦を巻いたのではないか」と推測。被害の拡大に困惑の色を隠せなかった。

 東松島市でも「浅瀬にあったノリ養殖施設30基が大破した」(県漁協宮戸西部支所)「小型漁船1隻が流され水没」(県漁協矢本支所)などが確認され、漁業者の不安が広がった。

<気仙沼市>  
 1240人が学校などに避難したが、28日夜のうちにほとんどが帰宅。海沿いに住むお年寄りや福祉施設の入所者ら53人が学校体育館などで朝を迎えた。津波警報の解除を受け、1日午前9時ごろまでに全員が自宅や施設に戻った。

 道路が冠水した気仙沼湾や大島・浦の浜漁港では商店や住宅に流れ込んだ海水をかき出したり、ぬれた段ボールを捨てたりする作業に追われた。

 同市魚町の酒造店の村上善之さん(54)は「警報が出てすぐに机や書類などを2階に運んだので被害は最小限に抑えられた。ただ、約20センチの高さまで泥水が入り、床や壁の汚れを落とすのは大変だ」と話した。

 前日に28便が運休した気仙沼と離島・大島を結ぶ大島汽船は1日の始発から通常通り運航した。

<塩釜市>   
 塩釜港では津波で養殖施設が航路に流出したため午後3時半まで航行禁止となり、松島観光や離島航路に影響が続いた。

 マリンゲート塩釜は、遊覧船の運休で訪れる客も少なく閑散としていた。遊覧船の社員は「航路の安全が確認できるまでは何もできない」と船の点検をしていた。

 松島ベイクルーズ(塩釜市)は全12便が運休。団体客ら約100人の予約を断った。2日に航路の安全を確認した上で、午前10時から運航再開する。マリンゲート塩釜と浦戸諸島を結ぶ市営汽船は、浦戸発の1便だけを運航。2日は、早朝と夕方の便以外を運航する。

 野々島の浦戸二小、浦戸中は市営汽船の運休で臨時休校したが、2日から授業を再開。市教委の担当者は「1日だけの休校で済んだ」とほっとした表情だった。

<女川町>   
 町の中心街が冠水したため、住民や町職員が店、道路の清掃に追われた。
 浸水した道路や店舗には、津波が運んだ砂や側溝からあふれた泥が広がった。商店主らは、早朝からブラシで砂を掃き出す作業に精を出した。海水を吸った土のうを店の前に出して乾燥させたり、被害を避けて店頭から外した商品を陳列し直したりする姿もあった。

 電気店の男性店主(45)は「けさは2時間ほど早く来て店を片付けた。床から商品を離して、被害を防げたのが何より」と胸をなで下ろした。

 浸水で電気回線がショート、自販機が壊れ、店も停電したという薬局の女性(74)は「50年前にチリ沖地震の津波を経験していたので怖かった。この程度の被害で済んでよかったと思いたい」と話した。

<南三陸町>  
 住宅4棟が床上、床下浸水したほか、養殖施設が打撃を受けた。
 津波が岸壁を約20センチ越えた同町志津川の袖浜漁港では、カキ養殖業者が流された重りを修理するための準備に追われた。重りを漁船に積み込んでいた50代男性は「70キロの重りを100個ほど付けているがほとんど流された。カキそのものに被害が無かったのがなにより」と話した。

 カキむき施設は事前に機械類を避難させていたこともあり、被害はなく消毒をして数日中に使えるようになるという。

 ワカメの見回りをして新漁港に戻ってきた養殖業の三浦吉助さん(72)は「ワカメの養殖ロープが集まって絡み合っている。収穫間際で早く直せば被害は少ないが、海が落ち着くまでは手のつけようがない」と肩を落とした。

<仙台市>   
 市消防局によると、1メートル10センチの津波が観測された仙台港周辺を含めて冠水などの目立った被害はなかった。津波注意報が解除された1日午前10時15分に警戒配備も解散した。

 市内沿岸部の小中学校などに避難した住民は28日午後9時までに全員が帰宅した。

 市は1日、青葉区のおおまち商店街とサンモール一番町商店街で買い物客や観光客を対象とした避難誘導訓練を予定していたが、中止とした。

 市消防局防災安全課の村上明伸課長は「気象庁の当初の予報通り3メートルの津波が来たら、被害なしでは済まなかっただろう。現場から持ち上がる課題を精査して、迅速な初動対応につなげたい」と話した。

<塩釜・浦戸138世帯一時断水>
 塩釜市・浦戸諸島の野々島、寒風沢島、朴島で2月28日午後6時半ごろ、3島の全戸138世帯が断水した。津波の影響で海中送水管が破損したためとみられ、別系統の送水管に切り替えて、1日午後4時すぎに復旧した。

 浦戸諸島の水道は、塩釜市の浄水場から海中送水管で桂島を経由して3島に送られている。

 市は桂島と野々島の間を結ぶ海中送水管が、津波の影響で破損した可能性が高いとみている。備蓄しているペットボトルの水を各戸に配布した。

2010年03月02日火曜日

津波、排水溝に流入→マンホールから噴出

南米チリで起きた巨大地震に伴う津波で、宮城県気仙沼市で海につながる排水溝を海水が逆流し、マンホールや側溝からあふれて道路などに浸水被害をもたらしたことが1日、東北大の今村文彦教授(津波工学)らの現地調査でわかった。

 マンホールなどからあふれる津波被害が確認されたのは初めて。

 今村教授らは、2月28日の津波で冠水被害のあった気仙沼市の4か所で住民らから被害の様子を聞き取り調査。その結果、海岸線から約400メートル離れた住宅街で28日午後4時過ぎ、海岸線から水が押し寄せる約15分前に、側溝から水が約20センチの高さで噴き出したことがわかった。海岸線から30メートル離れた魚市場前でも、マンホールから水が約50センチほどあふれ出した。その後、岸壁から水も押し寄せ、50センチ前後の冠水があったという。このほかの2か所でも同様の被害が確認された。

 今村教授によると、排水溝を逆流する海水は、海岸線や港湾の岸壁などを乗り越えて陸地を襲う海水よりも浸水が速く、波が防潮堤を乗り越えなくても浸水被害をもたらすことになり、逃げ場を失うことになりかねない。予想される津波の高さだけで、安全性を判断するのは危険だという。今村教授は「東海地震や東南海地震で大きな津波が発生した場合、下水道が整備された首都圏や関西地方でも同様の被害が出る可能性がある。地面の下を通る海水も意識し、ハザードマップ(災害予測地図)に反映させるなど、防災計画を見直すべきだ」と訴えている。

(2010年3月2日00時06分 読売新聞)

【島根女子大生遺棄事件】発見された靴は被害者のものと特定できず

広島県北広島町の臥龍(がりゅう)山で昨年11月6日、島根県立大1年、平岡都さん=当時(19)=の遺体が見つかった事件で、両県警の合同捜査本部は24日、浜田市の同大女子寮近くで発見した靴について「被害者のものと特定できなかった」と発表した。

 靴は昨年11月30日、平岡さんが住む寮近くの道路沿い側溝から見つかった黒色スニーカータイプの左足用。平岡さんが通信販売で購入し、色や足サイズ22・5センチも一致していた。捜査本部は、平岡さんの靴と、ほぼ間違いないとみて、警察庁科学警察研究所の協力も得て島根県警科学捜査研究所が鑑定した結果、平岡さんの皮膚組織などのDNA型が確認できなかった。靴がいつから置かれたかも不明という

石敷き広場出土

奈良県明日香村の飛鳥京跡の北側で、7世紀の石敷き広場の一部や、石組みの溝が出土し、県立橿原考古学研究所が9日、発表した。広場は直径30センチ程度の平らな石をきちんと敷き詰めた造りで、飛鳥時代に置かれた歴代の宮殿周辺の姿を知る手がかりになりそうだ。

 広場は日本最古の寺院・飛鳥寺の南側に接しており、過去の調査から、東西約70メートル、南北約20メートルとみられている。今回は、その南端部(東西約4メートル、南北約5メートル)が出土。広場南側で幅80センチのテラス状の遺構が確認された。さらにその南には石組みのL字形の溝(幅60センチ、深さ10センチ)があり、寺に関連する施設とみられる。

 別の調査区では、幅3メートル、長さ4メートル以上の石組みの溝も出土した。

 現地説明会は14日午前10時30分から午後3時30分。小雨決行。奈良交通バス飛鳥大仏前下車。

(2010年2月10日 読売新聞)

涙雨…ヤクルト選手ロッカーが“水没”

ヤクルトは15日、選手のロッカー室が“水没”するアクシデントに見舞われた。前夜からの豪雨で室内練習場近くの側溝があふれ、真下に位置する地下のロッカー室まで雨水が流れ込んだ。この日は業者が清掃作業に追われた。

 特に宮本、吉本、相川ら野手陣が被害を受けた。バットやグラブ、スパイクは水浸し。福地にスパイクを借り練習した吉本は「ファーストミットが(水分で)でかくなってた」と苦笑いだった。この日午前1時過ぎには沖縄県中南部に大雨・洪水警報が発令され、高田監督も「すごい雨だったらしいからね」と困った表情で話した。

 浦添で初めてキャンプを行った00年、ブルペンで雨漏りが起きて突貫工事が行われたが、今回のようなハプニングは初めて。相川は「(野球道具は)雨の日もぬれるんだから」と気持ちを切り替えていた。

中2男子生徒が殴られ重体、兵庫 中学生4人逮捕

兵庫県警豊岡南署は15日、同県豊岡市の市立中学2年の男子生徒(14)に殴るけるの暴行を加えたとして、傷害の疑いで中学2年で14歳の少年2人と、中学3年で15歳の少年2人の計4人を逮捕した。暴行を受けた男子生徒は頭を強く打ち、意識不明の重体。

 県警によると4人はいずれも容疑を認め「悪口を言われたので殴った」と話しており、詳しい経緯を調べている。

 逮捕容疑は14日夜、豊岡市日高町の路上で男子生徒を殴ったりけったりして重傷を負わせた疑い。

 県警によると、4人は14日夜、男子生徒の自宅を訪れて連れ出した。4人のうち3人は重体の男子生徒と同じ中学校。中2の1人が市内の別の中学校に通っている。

 豊岡市消防本部によると、14日午後11時10分ごろ、男子生徒が頭にけがを負い側溝に落ちていると家族から119番があり、救急車で病院に運んだ。

特別陳列:ここまで分かった平城京の姿--6日~来月22日・橿考研博物館 /奈良

◇長きにわたる発掘調査、成果を展示 出土品や全体像紹介--6日~来月22日
 発掘調査の成果を基に平城京の姿を紹介する平城遷都1300年記念特別陳列「平城京発掘-ここまでわかった奈良の都」(毎日新聞奈良支局など後援)が6日から、県立橿原考古学研究所付属博物館(橿原市畝傍町)で始まる。これまでの発掘調査の出土品から、当時の人々の暮らしぶりを知ることができる。3月22日まで。【高島博之】

 発掘調査は、1922年に平城宮跡が国の史跡に指定されたことに伴って始まった。平城宮跡は奈良文化財研究所、それ以外の京域は奈文研、橿考研、奈良市教委、大和郡山市教委が担当しており、こうした関係機関が展示に協力している。

 平城京は方位にのっとった大小の道路が整備され、最も大きな朱雀大路は幅約70メートル、長さ約3・8キロもあった。ちょうど関西国際空港の滑走路とほぼ同じ規模だったことが、長年の発掘調査で明らかになった。朱雀大路を含め、平城京全体の構造を分かりやすく紹介する。

 ◇整備された道路や水路
 大路や小路と呼ばれる道路の両脇には側溝が掘られた。最大の朱雀大路の側溝は幅6メートルあり、単なる排水路ではなく、物資輸送の水路だったことがうかがえる。また、当時の暮らしを物語る遺物が出土している。

 ◇願いや呪い、人形に込め
 三条大路の側溝や東市と呼ばれる市場のそばを流れる東堀河の発掘調査では、木製や銅製の人形(ひとがた)が数多く見つかった。人形は、病気払いの願いや呪いを込めて、水に流すまじないに使ったとみられる。

 ◇偽金造りの現場跡?も
 莫大(ばくだい)な費用がかかる平城京造営を支えるため、和同開珎(かいちん)などの貨幣造りが盛んに行われた。しかし、公的な記録に残っていない場所から貨幣造りの跡が発掘されており、私鋳銭(偽金)が造られていた可能性があるという。

 当時の庶民の暮らしぶりが分かるような日用品のほか、奈良時代の政権中枢を担った皇族や貴族の邸宅跡から見つかった出土品も並べられるという。月曜休館。大人400円、高校・大学生300円、小中学生200円。