ハンドル型電動車いすにJIS規格制定 経産省、事故多発受け

高齢者が主に使うハンドル型電動車いすで事故が多発している問題で、経済産業省は9日、安全基準などを定めた日本工業規格(JIS)を新たに制定すると発表した。回転性能など3項目の製品特性について、最大3つの星で表示するようにも求め、購入時に分かりやすくする。制定は、貿易上の手続きを経て、12月20日付の予定。

 ハンドル型では経産省が重大事故情報の収集を始めた昨年5月以降、下り坂での転倒や側溝への転落など30件の事故が報告され、高齢者8人が死亡、9人が重傷となっている。経産省は法規制も検討したが、利用者の様々なニーズに対応した利便性の確保などに配慮し、まずJIS規格を制定することにした。

 10度の傾斜を最高速度で急旋回したり、5センチの段差を降りたりしても転倒しないことや、乗降時に誤ってアクセルレバーに触れないことなどを規定。一部の新幹線の車内で利用できる小回り性能の確保も定めた。(00:42)

阪神大震災:記憶を後世に 神戸大付属図書館、防災未来センターが合同資料展 /兵庫

来年1月で発生15年を迎える阪神大震災の記憶を伝えようと、神戸大付属図書館(神戸市灘区)と人と防災未来センター(同市中央区)で、所蔵する震災関連資料を相互に展示する合同資料展「資料が語る 阪神・淡路大震災の記憶と現在(いま)」が開かれている。来年1月22日まで。

 神戸大付属図書館では、震災当日の新聞号外や定点撮影写真など同館所蔵資料と、地震でゆがんだ側溝のふたや止まった時計などの同センター所蔵資料の計約30点を展示。

 同センターでは、ボランティア団体が復興情報を掲載していたミニコミ誌などの所蔵資料と、同館が保管している震災当時の新聞など約30点を用意。展示物は順次更新する。同センター震災資料専門員、兒玉州平さん(28)は「資料から震災直後の生活を読み取ることができる。震災を体験していない人にも知ってほしい」。

 11月28日には岩崎信彦・神戸大名誉教授と佐々木和子・神戸大地域連携研究員が「資料保存」という観点から震災について講演する。無料、定員120人。問い合わせは同センター資料室(078・262・5058)。【近藤諭、金森崇之】

住宅地にイノシシ、3時間後に捕獲

8日、倉敷市内の住宅地にイノシシが現れ、発見から3時間後に捕獲されました。

 住宅街の側溝に、はまっているのはイノシシです。午後4時すぎ、倉敷市連島町で発見され、通報を受けた警察官ら50人が捕獲にあたりました。イノシシは1時間後、2キロ離れた住宅街で側溝に入りこみ、しばらく側溝の中を逃げ回りました。

 「『トットット、トットット、』っていうのよ。音がして、ぱっと見たら黒いのが走っていたわけ。イノシシのくちばしみたいなのが、『あー』と思って怖くなったの」(目撃者)

 その後、駆けつけた保健所の職員が側溝のふたの隙間から犬用の麻酔を打って、イノシシは大人しくなり、発見から3時間後にようやく捕獲されました。

 イノシシの体長はおよそ1メートル、胴回りは80センチあり、飼われていたものとみられています。イノシシは捕獲後まもなく息絶えました。(09日05:05)

台風18号 きょう最接近

非常に強い台風18号の接近に伴い県内は8日朝から雨風が強まる見込みで、横浜地方気象台は河川の増水や土砂災害、竜巻や突風への警戒を呼びかけている。

 同気象台によると、台風18号が最も接近するのは8日昼頃の見込み。午前中には局地的に1時間に50ミリの非常に激しい雨が予測される。7日午後6時から24時間の総雨量は県東部で200ミリ、西部で250ミリに達する見込み。風も次第に強まり、最大で風速25メートルの強風が吹く所があるという。海上もうねりを伴い、最大で7メートルの高波になるおそれがある。

 台風に備え、国重要文化財などの古民家がある川崎市多摩区の市立日本民家園では7日、障子戸を雨戸と入れ替えたり、側溝があふれないようにごみを取り除いたりの作業に追われた。

(2009年10月8日 読売新聞)

佐々木被告、あらためて無罪主張 大村保険金殺人控訴審初公判

大村市の保険金殺人事件(2003年7月)で殺人、殺人未遂、詐欺の罪に問われ、一審長崎地裁で求刑通り無期懲役判決を受けた大村市東大村2丁目、無職で元保護司、佐々木繁一被告(77)の控訴審初公判が6日、福岡高裁(松尾昭一裁判長)であった。同被告は被告人質問で「罪悪は犯していない。実子も殺していない」とあらためて無罪を主張し、結審。判決言い渡しは12月10日。

 父親が息子の保険金目当てに、報酬をちらつかせながら知人に「殺害依頼」を繰り返した末、自ら殺害したとされる同事件。一審では共犯者4人全員に実刑判決が下され、佐々木被告も無期懲役判決を受けた。共犯者が犯行を認める中、同被告の無罪主張を高裁がどう判断するかが焦点。

 弁護側は控訴趣意書で、一審判決の事実誤認と、捜査段階での自白調書は任意性がなく、証拠能力がないとして無罪を主張。▽被告は右手が不自由で、当時26歳の息子を側溝に押さえ付けて水死させるのは困難▽経済的に困窮しておらず、多額の保険金を得る動機がない-などと訴えた。検察側は控訴棄却を求める答弁書を提出した。

 一審判決によると、佐々木被告は03年7月1日、内田勝子受刑者(64)らと共謀し大村市の道路脇側溝で、三男で元新聞販売店従業員、政治さん=当時(26)=の顔を流水に沈め水死させた。ミニバイクの事故を装い保険金約1億4千万円を詐取。事件の約1カ月前にも4人と共謀し、トラックではねて殺害しようとした。

松戸市役所すぐやる課40歳、最近はハチ退治中心

市民の要望に迅速に応えるため、千葉県松戸市で全国に先駆けて誕生した「すぐやる課」が、6日で開設40年を迎える。

 この8月で受理件数は延べ13万件を超えた。当初は道路補修など土木作業の要望が多かったが、今はハチ退治が中心だ。要望も多様化し、家の掃除など対応できない依頼も相次いでいる。

 「掃除するから、うちのテレビを動かしてほしい」。依頼してきた高齢の女性に、課員が「家族はいないの?」と聞くと、「嫁が2階にいるけど、頼めない」という回答だった。

 同課に寄せられる要望は、年間1万件以上とされる。このうち、受理するのは近年、3~4割にとどまる。自宅の掃除のほか、「隣の犬がうるさい」といった近隣トラブルの解決などの依頼が多いが、断っているという。

 大竹忠重課長は「地域や家族でコミュニケーションがなくなって、簡単なことも人に言えないのでは」と話す。

 実際に対応した仕事内容では、当初は道路や側溝の補修など、土木作業が約9割を占めていたが、2008年度は3676件中707件(19%)。代わりにスズメバチ駆除などが2094件(57%)と増加した。ハチの駆除では防護服を着用しても刺されることがあり、ハチ毒に対する抗体の検査で、ショック症状の危険性を示す結果が出ると、担当職員は異動になるという。

 市の人口は発足当時に比べ、約48万人に倍増しており、同課は「宅地開発が進み、ハチが住宅街に出てきたのでは」と分析する。一方、「すぐやる精神が役所内に広がった」ことで、土木作業の要望は直接、担当の道路維持課などが対応することが増えたという。

 「すぐやる課」は、「マツモトキヨシ」創業者の松本清・元市長が69年に設置した。類似の課は全国300か所以上の自治体で設置されたが、行革の一環で廃止が相次ぎ、現在は数十か所程度という。

 ただ、同課への視察や取材などは近年増えており、08年度は38件。茨城県常陸大宮市は昨年、「すぐ対応課」を新設した。再評価の流れについて、松戸市は「平成の大合併で巨大化した自治体などで、仕事の『はざま』を埋めるため、必要となっているのでは」と話す。

 同市は、6日午後2時から、松戸市民会館で40周年記念式典を開き、パネル討論などを行う。

(2009年10月4日05時56分 読売新聞)

側溝に心肺停止状態の男性、誤って転落か 山梨・笛吹市

2009.10.3 15:47
 3日午前9時45分ごろ、山梨県笛吹市石和町唐柏の市道で、「側溝に人が倒れている」と近所の女性から119番通報があった。笛吹市消防本部によると、倒れていたのは60代とみられる男性で、心肺停止の状態で病院に搬送された。

 笛吹署の調べでは、男性が倒れていた脇の市道に自転車が倒れていた。自転車に乗っていた男性が誤って側溝に落ちた可能性があるとみて調べるとともに、身元の確認を急いでいる。

 同署によると、側溝は幅1・5メートル、深さ約2メートルで、市道から側溝の底まで2段になっている構造という。

側溝のふた継ぎ目で成長、ど根性ミニトマト にかほ市金浦

 にかほ市金浦字備中の市道の歩道脇で、コンクリートの継ぎ目部分からミニトマトが芽を出し、赤い実を付け始めている。生命力に驚いた住民らは「ど根性ミニトマトだ」と成長を見守っている。

 ミニトマトが育っているのは、阿部喜久雄さん(69)宅前の側溝のコンクリート製のふたの継ぎ目部分。阿部さんによると、8月下旬に芽が出て、9月上旬には実を付け始めた。3個の実が赤く色付いたのは9月26日。背丈は現在約70センチで実は20個以上、残りの実も徐々に赤くなりそうだ。

 約30メートル離れた阿部さん宅の裏庭にミニトマトが植えられており、阿部さんは「裏庭のトマトを食べた小鳥が、コンクリートの継ぎ目にふんを落とし、ふんの中に含まれていた種が芽吹いたのではないか。発芽の理由は、それぐらいしか考えられない」と話している。

食害深刻 「畑、一晩で」「農耕意欲なくす」 秩父地方  ~底 流~

手塩にかけた農作物を食い荒らす「害獣」の被害が収まる気配を見せない。相手は、イノシシ、ハクビシン、アライグマ、サルと種類が多く、食害や行動のパターンはまちまち。県は2006年度からアライグマ対策に力を入れるものの、全体の被害額はさほど減らない。今年はイモ畑でイノシシが暴れ回り、食べ頃のブドウやカキ畑でも大被害の兆候が表れている。自治体からはこんな報告も上がる。「お年寄りの農耕意欲がなくなっている」(田坂誠)

 県内で野生動物の被害が最も激しい秩父地方。丘陵地にある横瀬町の農業八木原章雄さん(63)の畑には、サル、イノシシ、シカ、ハクビシンなどが続々と出没する。柵やワナも仕掛けるが、この夏、約5アールのブルーベリー畑の1割がハクビシンなどにやられた。「年に1回の作物。やられると本当にがっかりする。このままでは一帯の農地放棄が進みかねない」。八木原さんはため息をつく。

 秩父市大滝の70歳代の女性も「畑が一晩でやられた。もう作る気になれない」と訴える。7月の地元特産「中津川いも」の収穫期を前にイノシシが大暴れ。被害が7割にも上った農家もあった。

 県や市町村、猟友会などでつくる秩父地域鳥獣害対策協議会が先月に開いた初幹事会でも、横瀬町の職員は、「ほぼ全域で被害が発生し、耕作意欲もなくなってきている」と報告した。

   ■捕獲数急増 被害額あまり減らず

 県のまとめによると、こうした野生動物たちの「捕獲」総数は、01~05年度は2000頭前後で推移していたが、06年度から3000頭台になり、昨年度は5065頭と過去最高を記録した。アライグマとハクビシンの対策強化が要因だ。

 特にアライグマについて県は、06年度から特定外来生物法に基づく「計画捕獲」を実施。昨年度に捕獲された1767頭(前年度比832頭増)の94%を占める。ハクビシンも01年以降、捕獲が毎年増え続け、昨年度は974頭(同543頭増)。シカとイノシシを抜いた。

 しかし、昨年度の農業被害は9259万円で、07年度より450万円ほどしか減らなかった。アライグマ被害は1181万円減って285万円、ハクビシン被害も863万円減の450万円と抑止される中、サル被害は逆に3626万円増え、6341万円に上った。

 野生動物たちの好みは多様だ。イノシシはイモや果物、水田で暴れ回ることもある。シカは樹皮だけでなく、タケノコやワサビも食べる。アライグマやハクビシンは、ブドウやスイカ、トウモロコシなどが好物だ。

 「被害を防ぐには、頭数を管理し、農地に近づけない工夫も必要」と指摘するのは、県農林総合研究センター中山間営農担当(秩父市)の古谷益朗・担当部長。古谷部長らは02年度から08年度にかけ、生態がよく分かっていないハクビシンに発信器をつけて行動を調査。雄・雌とも別々のねぐらを複数持つことや、餌場までの移動には側溝などの水際を好み、水の中にフンをする行動パターンなどをつかんだ。ワナの仕掛け方や、農地に近づけない対策などに生かすという。

 秩父市もこの春から、群れで行動するサルの生態を利用した撃退法を試行している。捕獲したサルに電波発信器を付けて放し、畑に近づくと花火で威嚇するというやり方だ。

   ■県全域に拡大

 被害は県全域に広がっている。

 小川町産業観光課によると、秋口になり、アライグマやハクビシンによるカキ被害が目立ってきた。県春日部農林振興センターは「アライグマ、ハクビシンによるブドウなどの果樹被害が3年くらい前から現れた。被害が減っている感じはない」とする。

 上尾市農政課の担当者は先月中旬、JA職員と一緒にブドウなど計16か所の果樹畑を調査した。半数が被害に遭っていた。職員は危機感を募らせる。「うち1か所は畑全体がやられていた。今年は昨年よりひどいことになるかもしれない」

(2009年10月3日 読売新聞)

愛和コンクリート工業:事業停止、負債3億2100万円 /岐阜

民間調査会社の信用交換所岐阜支社によると、岐阜市石谷南山のコンクリート製品製造会社「愛和コンクリート工業」が、28日までに事業を停止し、破産申請の準備に入ったことが分かった。負債額は08年11月期決算時で約3億2100万円。

 同社は1964年に設立。コンクリート2次製品のU字溝や側溝ふた、境界ブロックなどを製造し、大手建設会社に販売。85年11月期には4億7000万円を売り上げた。近年は市況の低迷や公共事業の減少で年商が落ち込み、資金繰りが悪化して支えきれなくなったという。【宮田正和】